西遊記百科
🔍

第六十七回 駝羅を救い禅性を安定させ、穢れを脱して道心を清める

小西天を離れて一月後、一行は駝羅庄の李老人の宿に身を寄せるが、そこで七絶山の稀柿同に棲む大蟒蛇が三年にわたって村を荒らしているという不吉な噂を耳にする。夜、襲いかかった妖怪と悟空が激しい戦いを繰り広げ、夜明けとともに正体を現した大蟒蛇を悟空が自ら呑み込まれることで内部から破壊し、ついには絶命させる。その後、八戒が巨大な豚に化身して、八百里にわたる悪臭漂う渓谷をその嘴で切り拓き、師弟一行を安全に通過させた。

孫悟空 猪八戒 三蔵法師 沙悟浄 駝罗庄 七絶山 稀柿同 大蟒蛇

小西天を後にした師弟一行は欣然と西の大路を進んだ。一月ほど経って深い春の頃、木々は緑に暮れ、風雨が過ぎれば黄昏が来る。ある日の夕暮れ、三蔵が「宿を借りる場所はないか」と言うと、悟空が「あの木立の中に人家が見える」と指さした。

一行が柴の門を叩くと、老人が蒲の草鞋を履いて藜の杖を持ちながら出てきた。「どなたですか」と問うと、三蔵が「東土から西天へ経を取りに参る僧です。一夜の宿をお借りできますか」と答えた。老人は「お坊さん、西へ行くとは難儀なことをおっしゃる。この先三十余里に七絶山という山がございます」と話し始めた。

「七絶とは何ですか」と三蔵が問うと「この山は八百里、一面に柿の木が生えております。毎年熟した柿が落ちて道を埋め、雨や霜で腐って……この辺の人は『稀柿同(腐柿の溪谷)』と呼んでいます。西風が吹けば、えも言われぬ悪臭が漂ってきます」と老人が言った。

三蔵は憂鬱な顔をした。悟空が老人に言い返そうとしたが、老人はその醜い容貌を見て「何者だ」と詰問した。悟空が修行の来歴と妖怪退治の能を語ると、老人の顔が和らいで「さあ、お入りください」と招き入れた。


夕食は面筋・豆腐・芋苗・蕪・香稲米の飯・醋の葵汤と素朴だが豊かだった。師弟が腹を満たすと、老人が「実は妖怪が出て困っています」と打ち明けた。「三年前、突風が吹いたと思ったら牛・馬・豚・羊が食われ、鶏や鵝は丸呑みにされ、男女は生きたまま呑み込まれる。毎年来ては村人を傷つけています」

老人の話では、以前僧を呼んで退治を試みたが僧は頭を打ち破られて死に、道士を呼んだら山の流れで溺れ死んだという。悟空が「任せてください」と名乗りを上げると、老人は周囲の村の長老八九人を集めて「もし妖怪を退治できたなら十分に礼をする」という約定書を作った。

夜になると呼呼と風が起き、老人が「妖怪が来た」と皆を家の中に逃がした。悟空が八戒と沙悟浄を天井の中庭に引き留めて空を見上げると、半空に二つの灯のような光が浮かんでいた。八戒が「行灯を持った礼儀正しい妖怪だ」と言うと沙悟浄が「あれは妖怪の両目だ」と訂正し、八戒は「目がそんなに大きいなら口はどれほどか」と縮み上がった。

悟空が空に飛んで「止まれ」と叫び、妖怪に問いかけると相手は何も言わずに長い槍を振るうだけだった。耳が聞こえないのか口がきけないのか分からない。一夜三更まで戦っても勝負がつかない。八戒も飛び上がって加勢したが、妖怪は前方に二本の「槍」を突き出して受け止めた。八戒が「槍の柄はどこにあるのか」と言うと、悟空が「これは槍ではなく、蛇の二本の舌だ」と見破った。

夜明けとともに妖怪は退いた。二人が追いかけると七絶山の稀柿同の方へ消えた。悪臭が鼻を突いた。八戒が「誰かが厠を掃除しているのか、ひどい臭いだ」と言いながら追うと、山の向こうに妖怪の本体が現れた——頭に肉の角を持ち、全身に赤い鱗を纏った大蟒(大蛇)だった。


大蟒は頭から尾まで千余丈、口を開けると血の池のようだった。悟空が棒で上から打ちかかると、蟒が山の穴に頭から突っ込んで七八尺の尻尾だけ外に出した。八戒が尻尾を掴んで「もらった」と引っ張ったが、びくとも動かない。悟空が「放してやれ、後から別の手で」と言い、八戒が手を離すと蟒は完全に穴の中へ消えた。

悟空が「あの体格では穴の中で向きを変えられないはずだ。後ろの出口から出てくる。八戒は後ろに回れ、俺が前から棒を突き込む」と指示した。八戒が後ろへ走ると、悟空は穴に棒を入れて奥まで突き込んだ。蟒が痛みで後ろへ飛び出すと、八戒が準備できていなくて尻尾で一打ちされて転んだ。

蟒が沢の向こうで丸まって大口を開けて今度は八戒を呑み込もうとした。八戒が慌てて退くと、悟空が「いいぞ」とばかりに飛び込んでいき、蟒に丸ごと吞まれた。

八戒が「師兄がやられた」と嘆くと、悟空が腹の中から「心配するな。面白いものを見せてやる」と叫び、鉄棒を腰から突き上げると蟒の体がアーチ型に反り上がった——橋のようだった。次に腹の中から棒で内壁を押し広げると蟒の腹が地面に着いて頭が上がった——船のようだった。最後に脊中から棒を五七丈突き出すと——帆柱のようになり、蟒は痛みに耐えかねて真っ直ぐ前へ突進した。二十余里を飛んで地面に倒れ、ついに動かなくなった。

八戒が追いついてさらに鈀で打つと悟空が「死んでいる」と大きな穴を開けて出てきた。八戒が「俺は昔から蛇を打ち殺すのが好きで」と言い訳しながら、二人は大蟒の尻尾を引きずって駝罗庄へ帰った。村人たちは喜んで地に跪いて感謝した。師弟は五七日引き留められて盛大なもてなしを受けた。


さていよいよ七絶山稀柿同を越えなければならない。三蔵が「どうやって通るのか」と嘆くと、老人が「皆で別の道を切り開いてお送りします」と言い、七百八百人が付いてきた。悟空が「開山の法力はない。旧路を行くしかないが、長嘴の和尚に大猪に化けて道を拓かせよう」と提案した。

八戒が「俺だけ臭い目に遭うのか」と不満を言うと、三蔵が「これをやり遂げれば今回の一番手柄だ」と言った。八戒は顔を洗って「皆さん笑わないでください」と断り、呪文を唱えて大猪に変化した。高さ千尺・長さ百丈、牙は鋼の剣のように並び、爪は金の鉤のように曲がった巨大な黒い猪だった。

村人が乾飯・蒸餅・饅頭を山積みにして八戒が食べると、食べるほど腹が大きくなった。そのまま前へ向かって嘴で腐柿を掘り起こしながら進んでいった。三蔵は馬に乗り、沙悟浄が行李を担いで後を追い、悟空が脇から補助した。

二日かけて八戒が汗を流しながら拱き続け、村人が追いかけてきて食べ物を届けた。八戒がまた食べて力を取り戻して再び進む——それを繰り返して八百里の稀柿同を踏み越えた。

六欲の塵情を皆剪り絶ち、平安にして障りなく蓮台を拝す。