西遊記百科
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第六十五回 妖邪、小雷音を模す——四衆、みな大厄難に遭う

師弟一行が小雷音寺に足を踏み入れるが、そこは黄眉大王が仕掛けた巧妙な罠であり、悟空以外の三人は偽の如来に欺かれ、絶体絶命の危機に陥る。

孫悟空 猪八戒 三蔵法師 沙悟浄 小雷音寺 黄眉大王 金鐃 白布搭包 二十八宿 真武大帝

荆棘岭を越えた師弟一行はさらに西へ進んだ。春の盛りの頃、前方に天に接するほど高い山がそびえているのを見て、三蔵が馬上から「あの山、天と繋がっているようだ」と言うと、悟空たちは言い合いながら登り始めた。

嶺を越えて西の平地へ下ると、突然祥光が輝き霞が漂い、楼台殿閣が姿を現した。鐘の音が悠々と響いている。三蔵が「なんという場所だろう」と問い、悟空が空から眺めて「立派な寺院のようだが、瑞気の中に凶気も混じっている。ここは霊山のそれに似ているが、道が違う。安易に入ってはなりません」と警告した。

しかし山門の扁額を見ると「小雷音寺」の四文字があった。三蔵は「小さくとも雷音寺ならば、必ず仏祖がおられる。経に三千の諸仏とある。どなたかの道場だろう、入りましょう」と言い、袈裟を着て進んだ。

山門内に入ると、五百羅漢・三千揭諦・四金剛・八菩薩が整然と並んでおり、蓮台の上に如来が坐っていた。三蔵・八戒・沙悟浄は一歩ごとに礼を行いながら進んだ。悟空だけは仔細に見て「これは偽物だ」と確信し、棒を構えて「お前たちは何の妖怪だ、如来の名を騙って清名を汚すな」と叫んだ。


その瞬間、空中から「チン」と音がして一副の金鐃(青銅の鐃)が舞い降り、悟空を頭から足まですっぽりと包み込んだ。完全に密封されて光の一筋も入らない。八戒と沙悟浄が鈀と宝杖を振るうと、阿羅・揭諦・聖僧に見えていた者たちが正体を現して二人を取り囲み、縛り上げた。三蔵も捕らえられた。

蓮台の上の「如来」が仮の姿を脱いで本来の妖王の姿を現した——これが黄眉大王だった。師弟三人は後室に縛られて吊るされ、白馬と行李も没収された。


金鐃の中に閉じ込められた悟空は真っ暗な中で鉄棒を打ち続けたが、一分も動かない。身を千百丈に伸ばしても鐃も一緒に大きくなる。芥子粒ほどに縮めても鐃も同じく縮む。鉄棒を旗竿のように変えて支えにして毫毛を変えた錐で穴を開けようとしても、金属が鳴り響くだけで貫通しない。

呪文で五方揭諦・六丁六甲・護教伽蓝の神々を呼ぶと、外から「大聖、私どもはここにおります」と声がした。「この鐃を掀けてくれ」と頼むと、諸神が力を尽くしたが「まるで一体に鋳られたようで微動だにしません」と言った。

金頭揭諦は急いで天宮へ飛び、玉帝に上奏した。玉帝は二十八宿を差し遣わした。夜の二更(深夜)、二十八宿の星辰が金鐃の外に集まり「大聖、我々が来ました」と告げた。「兵器で打ち破れ」と悟空が言うと「打てば響いて妖魔を起こしてしまいます。別の手を」と星辰たちが慎重に検討した。

亢金龍が「合わせ目の隙間に角を入れてみる。中でそれを摑んで形を変えれば出られるかもしれない」と言い、角を針の先ほどに細くして隙間に押し込んだ。千斤の力でやっと内部へ届くと、角を太くしていったが鐃の口がまるで皮肉のようにぴったりと角に張り付いて外れない。

悟空が「仕方ない、痛みに耐えてくれ、引き抜いてくれ」と頼み、自身は金箍棒を錐に変えて角の先に小穴を開け、芥子粒に縮んでその穴に入り込んだ。亢金龍が力を尽くして角を引き抜くと、悟空は角の穴から這い出て元の姿に戻り、棒で鐃を「バン」と打つと——銅山が崩れるように砕け散った。


夜明け前、黄眉大王が妖兵を率いて出てきた。悟空は二十八宿と共に戦ったが五十余合でも決着がつかない。そこへ妖王が腰から古びた白い布の搭包(袋)を解いて空へ放り上げると、「シュッ」という音とともに悟空・二十八宿・五方揭諦をすべて吸い込んでしまった。

悟空は袋の中で縄で縛られながらも夜半に遁身の法で縄を外し、師弟三人を解放し、二十八宿・揭諦も全員解放した。白馬を引いて「早く行け」と送り出しつつ、行李を探しに戻った。三層の楼の中で袈裟の発光を見つけたが、包袱を取ろうとして落として音を立てた。妖王が「侵入者だ」と飛び起き、悟空は行李を放って逃げ出した。

再び全員が追われ、また激戦。妖王が再び搭包を取り出すと悟空は「逃げろ」と叫んで一人だけ筋斗雲で飛び去った。八戒・沙悟浄・二十八宿・揭諦は再び袋に吸い込まれた。


悟空は東山の頂上に降りて独り嘆いた。「師匠はいつになれば難から逃れられるのか」と涙をこぼし、思案の末「北方の真武大帝が南瞻部洲の武当山に在す。あの方に助けを求めよう」と決め、筋斗雲で武当山へ向かった。

心一念の誠にして、邪は正に勝てず。 妖は仮の仏を装えども、真の法には及ばじ。