第三十八回 嬰児、母に問うて邪正を知る——金木、玄に参じて仮真を見る
太子は母后に問いかけ、父王が偽物であるという確信を深めていく。悟空と八戒は夜の闇に紛れて烏鶏国の御花園へ忍び込み、八角琉璃井の底から三年前の先王の遺体を引き上げた。翌朝、宝林寺で遺体を目の当たりにした三蔵法師は深い悲しみに暮れ、悟空は太上老君から還魂丹を借りるために旅立つことを決める。
太子は悟空と別れて城へ戻ったが、朝門には向かわず後宰門から母后の錦香亭へ向かった。太子が現れると皇后の目が輝いた。「坊や、二三年ぶりに見るお前の顔が恋しかった。父王と一緒に講義をしているとばかり思っていた。どうして来たの?なぜそんな悲しそうな顔を?」
太子は膝まずいて「母上、おかしなことを聞きますが、怒らないでください。今の父上と三年前の父上は、本当に同じ人ですか」と問うた。皇后は一瞬驚いて「何を言い出すの、ちゃんとした父王じゃないの」と答えたが、太子が「嘘をついても叱りません。赦してから話してください」と言うと、母后は侍女たちを遠ざけ、低い声で「あの人は三年前は温かかったのに、今は冷たい。枕元で問えばいつも『年を取って気力が衰えた』と言うだけ……」と言って涙をこぼした。
太子は袖から金箱を取り出して玉圭を見せた。皇后が「これは父上の形見!」と叫ぶと、太子はすべてを話した——今朝の狩りで宝林寺の取経僧に会い、その大弟子・孫行者が父上は三年前に全真道士に殺されて井戸に沈められ、今は妖怪が玉座を占めていると言ったこと、玉圭はその証拠として父上の霊魂が残したものだと。
皇后は「外の人の言葉をそう簡単に信じて」と言ったが、涙が止まらなかった。太子が「私も完全には信じていません。だから母上に確認しに来ました」と言うと、皇后は「早くその聖僧を呼んで来なさい。本当に邪正を明らかにしてくれるなら、父上への義理を果たせる」と言い、玉圭を懐に収めた。
太子は急いで宝林寺へ戻った。悟空の前に膝まずいて「師父、母上も確認しました。あれは偽物に違いありません」と報告すると、悟空は「よし。だが今日は時間が遅い。明日の朝に入城しよう」と答えた。
太子は「私は一晩ここに泊まって一緒に行きます。朝廷に戻れば何も持たずに狩りから帰ってきたことで罰せられます」と言った。悟空は山神・土地を呼んで道に野獣を用意させ、兵士たちが手ぶらにならないようにした。太子は兵士たちを凱旋させて自身は宝林寺に残った。
夜が更けると悟空は「八戒を起こして一緒に行くぞ。御花園の井戸から先王の遺体を引き上げる」と計画を話した。「明日、妖怪と争うとき証拠がなければ、偽物を捕まえても何の言い訳もできない。遺体があってこそ太子が泣いて訴え、皇后が夫を認め、百官が主を見る。これで官事が立つ」
八戒は「俺も泥棒に行く仕事は得意だ。全部俺にくれ」と喜んで起きた。二人は師匠に黙って夜の城へ飛んだ。二更の頃、後宰門の塀を越えて御花園に向かうと、「御花園」の三文字が刻まれた門楼があり、錠で封されていた。八戒が鉄鈀を力いっぱい振るうと門は粉砕された。
中に入ると奥に八角琉璃井があった。芭蕉の木が植えられて蓋をするように生えていた。「師匠の夢のとおりだ」と悟空が確認して八戒に「この芭蕉を引き抜け」と命じた。八戒が力いっぱい抜くと根が露わになり、石板が見えた。二人で石板をどけると暗い井戸が現れた。
悟空が縮身法で水面まで降りると、確かに遺体があった。水に三年浸かっていたが、顔かたちは変わっていなかった。悟空が変化した縄で遺体を縛り、八戒が上から引き上げた。
遺体を包んで行李の中に収め、二人は宝林寺へ戻った。翌朝、師匠の前に開いてみせると、水に濡れた国王の遺体が現れた。三蔵は深く哀れんで涙を流した。
「陛下よ、まだ亡くなって三年ほどというのに……国が盗まれ、后妃に見捨てられ、なんと可哀想なことか」
八戒は「師匠、泣かなくていい。兄さんが医してくれる」と言った。「医せるのか?」と三蔵が問うと、悟空は「そうです。ただし阴司(冥界)には行かせないでください。陽の世界で治します」と答えた。師匠はまた緊箍咒を念じるそぶりを見せたので、悟空はすぐに「陽世界で治します!」と宣言した。
「どうやって」と師匠が聞くと、「三十三天の離恨天・兜率院にいる太上老君から九転還魂丹を一粒借りてきます。それで必ず生き返らせます」と悟空は言った。
三蔵は喜んで「すぐ行きなさい」と言った。悟空は「この遺体の傍で誰かが泣いていないと見栄えが悪い。八戒、お前が哭いてくれ」と言った。「兄さん、俺を泣かせるつもりか」と八戒は渋ったが、悟空が「泣かなければ救えない」と言うので仕方なく鼻に紙こよりを通して涙を絞り出し、声をあげて泣き始めた。本当に悲しそうに聞こえたので、師匠まで目頭が熱くなった。
「その調子で。もし止まったら二十発くれてやる」と悟空が念を押すと「一度泣き出したら二日は続けられる」と八戒が言い、悟空は筋斗雲に飛び乗って天へ向かった。