西遊記百科
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第36回 心猿、正処にて諸縁を伏す——傍門を劈破して月明を見る

西への旅を続ける師弟四人は宝林寺に宿を求めるが、傲慢な僧官に追い払われる。悟空が怒って寺に乗り込み、五百人の和尚を境内に整列させて師匠を迎えさせる。その夜、師匠と悟空は月を眺めながら心の修行について語り合う。

孫悟空 猪八戒 三蔵法師 沙悟浄 宝林寺

平頂山を後にして西へ進むこと幾日、師弟四人は道中で水と食事をとりながら、霜を浴び霞に包まれながら歩き続けた。ある日の夕暮れ、山の凹地に楼閣が重なり殿閣が層をなす寺院の影が見えた。

三蔵が「あそこに宿を借りよう」と言うと、悟空は「俺が先に見てきましょう」と空に飛んで確認し、「勅建宝林寺と書いてある立派な寺です」と戻ってきた。

「寺は師匠が交渉してください。俺たちの顔は怖いですから」と悟空が言い、三蔵は一人で寺へ入った。大雄宝殿で仏を礼拝した後、方丈を訪ねると、僧官が出てきた。しかし三蔵の姿を一目見て「雲游の和尚か。廊下の下で蹲っていれば」と吐き捨てた。

三蔵は涙をこらえて外に戻り、三人の弟子たちに伝えた。八戒は「師匠が泣いている!打たれたか?」と騒いだ。悟空は「師匠自身は入れなかったが俺なら入れる」と言い、頭の金箍を押さえ、腰紐を締め直して鉄棒を手に寺へ向かった。

大雄宝殿の前に立った悟空は仏像を見上げて「お前たちは泥で塗り金を貼った偽物だが、なんの感応もないのか。大唐聖僧が宿を求めているのに追い払うとは許しがたい。留めないなら一棒打ち砕いてやる」と言った。

香を焚きに来た道人が悟空の顔を見て二度転び、方丈に飛んで帰った。「大変です!今度の和尚は前の和尚とは違います。目が丸く耳が大きく顔中毛が生えていて、雷公様みたいな口をして、棒を持って噛みつきそうです!」

僧官が出てくると悟空はもう方丈の中に入っていた。「綺麗な部屋を一千間用意せよ」と言うと、僧官は「うちは前後合わせて三百間もない」と縮こまった。悟空が棒を桶ほどの太さに変えて天井に突き立てると、寺中が震えた。道人が「師父、もう言いなりになった方がいいです。扛子が刺さったも同然です」と青ざめて言った。

悟空は石の獅子像を棒で叩いて粉砕した。僧官は窓の隙間からそれを見て「骨も筋も溶けそうだ……」と恐れおののいた。「和尚よ、打たない。ただ聞くが、寺には何人の僧がいる?」「度牒のある和尚が五百人おります」「では今すぐ五百人全員を揃えて、唐朝の師匠を正式に迎えに来させよ」


道人は鼓楼と鐘楼を同時に叩いた。一斉に響いた鐘鼓の音に驚いた五百人の僧が集まり、僧官の命で正装して山門前に整列した。袈裟を着けた者、偏衫を羽織った者、布の直裰を帯で継ぎ足した者と様々な姿で、みな膝まずいて大声で「唐老爷、どうかお越しください」と呼んだ。

三蔵は僧たちが地に膝まずくのを見て「みなさん、どうぞ立ってください」と手を挙げ、やや申し訳なさそうにしていた。悟空の行動に照れながらも師匠は八戒と沙悟浄を従えて堂々と寺へ入り、丁重に案内されて方丈に通された。


夜になると師弟四人は方丈でくつろいだ。月が明るく輝き、庭の松に影を落としていた。三蔵は月を見ながら詩を吟じた——長安を出てから春夏秋冬が四五年過ぎたのに、まだ西天へは着いていない。いつ仏を拝めるのか。

悟空は「師匠よ、この大きな天地を一間の部屋のようなものと思えば、まだ玄関先にいるのと同じです。でも功が成れば、万縁が尽き、諸法が空になる。そのとき、自ずと身は静かです」と答えた。

師匠は「それは本当の智慧だ」と笑い、月を眺めながら二人は長く語り合った。こういう夜が旅の疲れを洗い流してくれた。夜が深まると四人は眠りについた。

翌朝、寺の僧たちが早粥を用意して送り出した。師弟四人は礼を言い、宝林寺を後にして西の空へと歩みを続けた。