西遊記百科
🔍

第26回 孫悟空、三島に方を求む——観世音、甘泉にて樹を活かす

人参果の霊木を倒した悟空は蘇生の方を求めて三島を遍訪するが誰も知らず、最終的に南海の観音菩薩が浄瓶の甘露水で枯れた霊根を蘇らせる。鎮元大仙と悟空は兄弟の誓いを交わし、師弟は西への旅を再開する。

孫悟空 鎮元子 観音菩薩 万寿山 五庄観 人参果 蓬莱 瀛洲 福禄寿三星

鎮元大仙は悟空の腕前を認めて「お前が霊木を蘇らせれば、私はお前と八拝の兄弟の誓いを結ぼう」と言った。悟空は三日の期限を取り付けて東洋大海へ向かった。

蓬莱仙境の白雲洞の前、松の木陰で三人の老人が碁を打っていた——碁を眺めるのは寿星、打っているのは福星と禄星。悟空が礼を述べて人参果樹を蘇らせる方法を求めると、三老は顔を見合わせた。「五庄観の草還丹は天地開闢の霊根。走獣や飛禽なら我々の黍米の丹で救えるが、仙木の根は治せない。方はない」

三老は「ここには方がないが他に行けばある。期限が心配なら私たちが五庄観へ行って唐僧に呪を念じないよう頼んであげましょう」と申し出た。悟空は礼を言って三老と別れ、方丈仙山の東華帝君を訪ねた。東方朔という小仙の道名を持つ少年が出迎え、帝君に取り次いでくれた。

帝君は「私の九転太乙還丹は生きている動物を治すことはできるが、仙木の根は別のものだ。先天福地の霊根には力が及ばない、方はない」と言った。瀛洲の九老も「あなたは惹祸ばかりする。我々にも方はない」と答えた。

悟空は三島のどこにも方がないと知り、落伽山へ向かった。


紫竹林の守山大神——かつて黒風山で悟空に降された黒熊が正果を得て菩薩の山を護るようになった大神——が出てきて「大聖、どこへ行かれますか」と声をかけた。悟空が「昔助けてやった恩があるだろう。老爺と呼べ」と笑うと黒熊大神は苦笑いをして菩薩に取り次いだ。

菩薩は講経の座から降りてきて悟空に向かい「万寿山の件か。鎮元子は地仙の祖、私も彼には三分の敬意を持っている。それをどうして傷つけたのか」と言った。悟空が八戒が頼んだことから始まって木を倒した経緯、三度逃げて三度捕まったことを全て話すと菩薩は「なぜもっと早く来なかったのですか。私の浄瓶の底の甘露水は仙木の霊苗を治すことができます」と答えた。

「実証がありますか」と悟空が問うと「かつて太上老君が私の楊柳枝を炼丹炉で炙って枯らして返してきた。瓶に挿して一昼夜置いたら元の青葉に戻った」と言い、「では行きましょう」と白鸚鵡に前を行かせて出発した。


五庄観では三老が大仙のもとを訪れて一席設けていた。八戒は寿星の帽子を掴んで頭に載せて笑い転げ、福星の袖をひっくり返して果物を探した。大仙も三老も笑って「この呆者は礼儀知らずだが憎めない」と言った。

間もなく空に祥雲が輝いて観音菩薩が到着した。大仙が「わざわざお越しいただきとは恐れ多い」と礼を言うと菩薩は「唐僧は私の弟子。孫悟空が迷惑をかけました、宝樹を損じた補償をするために参りました」と答えた。

一行が後園へ向かうと枯れ倒れた人参果樹が横たわっていた。菩薩は悟空に左手を差し出させ、楊柳枝で浄瓶の甘露を取り出して手のひらに起死回生の符を描き「木の根の下に当てて清水が出るまで待ちなさい」と命じた。

悟空が拳を根の下に押し込むとやがて清らかな泉が湧き出した。菩薩が楊柳枝に甘露をつけて枯れた枝に振りかけると、みるみる根が固まり、幹が直立し、青々とした葉が繁り、二十三個の黄金色の人参果が枝にぶら下がった。

大仙は大喜びで果を盆に盛り、師弟四衆も大仙も三老も菩薩も揃って果宴を楽しんだ。大仙が「孫行者と八拝の兄弟の誓いを結びたい」と申し出ると悟空も喜んでこれに応じた。二人は地に八拝して誓いを交わし、これより縁が結ばれた。

翌朝、師弟四衆は大仙・三老・菩薩の笑顔に見送られて西への大路へと歩み出した。万寿山の清風と爽やかな朝の光の中に白龍馬の足音が響いた。